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院長室・スタッフルームが必要な5つの理由

院長室・スタッフルームが必要な5つの理由

働き方改革と聞くと、医師の労働問題などがあり医療業界は別次元の話のようにも取られるが、働く環境を整えることは必要です。患者様にとって良いクリニックを設計するように、これまでご紹介してきましたが、同じように大切にしなくてはいけないのが、院長室とスタッフルームです。

もし、どちらもないクリニックを建設してしまったら、院長は別としても求人に応募があるのか心配でしかたありません。

今回は、クリニックで働く医師とスタッフが快適に過ごせ働ける設計をご提案いたします。

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目次

院長室が必要な3つの理由

自身のクリニックに院長室がないは、少しばかり寂しくも感じます。総合病院のような医局では、個室をもらうことはまず有りえません。せめて、開業するクリニックには院長室という個室が欲しいと思うはずです。

そんな個人的な理由の他にも、クリニックとして院長室が必要な理由があります。

院長室は来客室

クリニックを開業すると、経営に関する来客者がいます。

例えば、
・顧問会計士・税理士
・コンサルタント
・その他、商談など

クリニック開業後は、経営者として応対が必要な場面があります。こうした時に、来客者を通す部屋が用意されていないのは、経営者として恥ずかしいことでもあります。

医者以外に、経営者として見せるべきところは区別しておきましょう。

経営の事務業務

受付で行うのは、診療報酬の請求業務です。医事コンピュータを使い、患者様の個人情報の管理から、治療費の支払い、請求業務の全てを行います。

ここでの業務は、クリニックの売り上げとなる業務ですが、経営に関する事務業務とは異なります。

経営の事務業務は、預金や現金によるお金の流れを管理する業務をいいます。基本的には帳簿作業がメインとなります。

その他、会計士や税理士などの指示により、必要とされる業務もあります。

これらの業務は、同じクリニックで働くスタッフ同士といえども、あまり見られたくないものでもありますし、なにより異なる作業を同じ部屋で行うことは、ミスを招く可能性があります。

院長室なら、個室で外部に情報が漏れることも少ないので、適していると考えます。

シャワー室の確保

クリニックでシャワー室が必要だと話すと、驚かれるかもしれませんが、こちらも可能なら設置したいものです。

最近のクリニックの特長として、有床(ベット)は無くなりつつありますが、逆に「日帰り手術」をするクリニックが増えています。

・白内障の手術
・内視鏡的ポリープ切除
・鼠径ヘルニア
・痔の手術

白内障の手術はよく聞きますが、それ以外の手術に関しても、重症な症例ではない限りクリニックでも手術が可能となっています。

日帰りでできる手術とは言え、医師が一人で行うことですから大変な治療には変わりありません。また、一度に複数の手術を行うこともありますから、汗もかきます。外来前に汗を流したいと考えるのは、当たり前のことです。また、患者様から「医師が汗臭い」とクレームが入ることも考えられます。

医師本人が衛生的であることは必須ですから、日帰り手術を行うことを検討している場合には、シャワー室についても設計時に相談してみましょう。

スタッフルームが必要な2つの理由

医師以外に、クリニックには看護師・医療事務員・リハビリスタッフなど複数のスタッフがいます。

その複数のスタッフのためにも、夕診までの休憩時間など、スタッフルームが必要な場面があります。

休憩時間の居場所

クリニックの場合、夕診のため昼間を休憩時間にするところが多くあります。

クリニックから自宅が近いスタッフは帰宅することも可能ですが、遠方のスタッフはそんな訳にもいきませんから、休憩できるスタッフルームがあることはとても助かります。

「誰も来ないのだから、待合室に座っていれば?」という医師もいらっしゃいますが、これがそうもいかないのです。

製薬会社などの営業マンは、この休憩時間をあえて狙って来院することがあります。なかなか医師に会うことができないため、先方も必死です。
そんな時に、待合室にスタッフの姿が見えたら、間違いなく声をかけてきます。これでは、休憩時間にはなりません。

この状況を回避するためにも、スタッフルームが必要です。

退職の理由になる

実は、スタッフルームがないことが退職の理由となっているのは、ご存知でしょうか?

休憩とはいえ、1日の半分以上を職場で過ごすことは、精神的にもよくありません。スタッフルームがなく、職場の椅子にずっと座り続けることがストレスとなるのです。

上記のような理由で、待合室を利用してゆっくりすることもままなりません。

なかなか理解されない現状に耐えかねて、退職していくのです。クリニック勤務は、どうしても拘束時間が長くなってしまいます。クリニック内でもリフレッシュできる環境を用意してあげてください。

設計のポイント

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必要な理由を読んでいくと、多少は小さくても院長室やスタッフルームは必要ですね。

さらにどんなことに注意するべきか、良くなるポイントをご紹介します。

採光と開口部を確保する

設計時に必ずリクエストして欲しいのが、採光と開口部です。ビルやテナントの場合は、間取り的に無理な場合もありますが、新しく建設する場合には、打ち合わせの段階で設計士に伝えておきましょう。

室内に光が入ることで、明るく快適な印象になります。また、開口部はドアでも構いませんが、壁や天井に小さくても窓があることが理想です。倉庫のような薄暗い室内になると、せっかくの院長室もスタッフルームも入ることを躊躇してしまいます。

居心地の良さにもこだわってください。

畳で小上がりなスペース

これは、スタッフルームにあったら喜ばれるスペースです。畳で小上がりであることがポイントです。

看護師は、立ち仕事が多いですし、医療事務員は座ったままの仕事が多くなります。どちらも体に負担がかかります。

そんな時に、畳のスペースがあると、ナースシューズを脱いで足を伸ばすこともできますし、横になることもできます。これができるだけでも、スタッフはリフレッシュでき、体を休めることができます。

業務とは離れた場所

院長室、スタッフルームも業務をする場所から離れた場所に配置することをオススメします。

業務と離れることで、同じクリニック内でも気分転換になります。ゆっくり休めるという安心感があります。

また、意外かもしれませんが、診察室や待合に近い場所に院長室やスタッフルームがあると、患者様の目が気になります。若干、室内を観察しようとしたり、医師やスタッフに会いに来るようになります。

これも避けたいですね。

クリニック内で配置する理想的な場所としては、2階に建設することです。患者様が上がって来ることはありませんし、覗かれたりする心配もありません。設計時に2階を建設することが可能か、設計士に相談してみましょう。

まとめ

院長室、スタッフルームの必要性についてご紹介しました。

クリニックは、毎日業務終了が分かりません。診察時間は決められていても、来院する患者様の人数によっては、時間を過ぎてしまうことがあるからです。

中休みがあるとはいえ、夜遅くまで拘束されるのには辛いものがあります。そうした時に、短い時間でも確実に体を休めることができるのは、医師もスタッフも助かります。

設計の段階で、ぜひご検討ください。

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