クリニックの開業が増えている中で、誰もが思うのは「失敗したくない」ということです。
どんなタイミングで開業するのがいいのか、失敗しないタイミングがあるならした履帯と思いませんか?
今回は、開業のタイミングを医師の年齢から考えてみます。そして、クリニック経営に必要なことをご紹介します。
クリニック開業が増加している
コロナ禍において、医療機関は厳しい状況が続いています。
また、医療事故や訴訟に発展しやすくなり、高度な治療をするほどにリスクが増えていくような状況のため、クリニック経営を考える医師が増えています。
今後、ライバルは増えていくため、クリニック開業にリスクはあると心得ておく必要があります。
開業するなら成功したい
リスクがあるといっても、高い初期投資をして始めることなので「開業するなら成功したい」と思うのも必然です。
成功するためなら、準備期間が必要です。いきなり土地や物件を探す、いい話を持ちかけられたなど、準備不十分な状況で開業をしてしまえば、開業してもクリニック経営として成り立たせることはできません。もしくは騙されてしまい、借金だけが残るということもあります。
開業の準備はいろいろありますが、まずは考えておきたいポイントを知りましょう。
開業前に考えておきたいこと
資金調達、土地、医療機器の選定など開業前に考えることはいろいろあります。
通常、開業の準備期間として5,6ヵ月ほど必要となります。この期間に一つ一つを選んで決めていくの繰り返しになります。
経営理念を考える
事業を始める時に、まず考えなくてはいけないのが「経営理念」です。どんな信念をもっているのか、そしてどんなことを目指しているのか、自身の思いはもちろん、クリニックが目指すところを明確にしていくものになります。
経営理念を重視していない、考えていないという経営者が中にはいらっしゃいますが、ライバルの多い中で、選ばれるクリニックになるためには「患者様にファンになってもらう」ことです。
医師であるあなたの考え方、取り組みに惹かれ、困った時に頼りたいという状況にすることが、ライバルとの差別化となり、成功するクリニック経営に繋がっていきます。
経営理念が必要な理由
経営理念は、ライバルとの差別化、患者様というファンを作るためにだけにあるわけではありません。
こんな場面でも役に立つということを、ご紹介します。
スタッフの採用時
開業時にスタッフを募集します。この時にも経営理念が役に立ちます。
面接の場面で経営理念を伝え、細かく説明をします。
なぜ、必要なのかというと「同じ志」を持ったスタッフとの方が、働きやすい職場づくりができますし、スタッフ同士の衝突を避けることもできます。
開業後、予測していなかったことが起こります。そんな時に、思いが一緒であればお互いに話し合いで解決していけますし、今後の対応や改善策も一緒に取り組んでいくことができます。
一人でも違う人がいれば、クリニック全体にまとまりがなく、あなたが目指すクリニック経営から大きく外れてしまいます。
迷った時の指針にする
開業までの準備期間には、選択と決断の繰り返しと伝えましたが、経営理念があることで迷う時間を減らすことができます。
成功することも大切ですが、何よりあなたが目指す医療、クリニック経営ができるかどうかというのも大きな課題です。
初期投資として多額のお金が必要になりますから、予算などを考慮しながら選択していく場面もあります。しかし、お金を重視することで、あなたの目指す医療ができないのなら、それは正しい選択だったとはいえません。そして、理念に合わないことを続けていけば、クリニックの経営はどんどん目指すところから道が外れてしまいます。
あなたのクリニックです。経営理念は、迷った時の指針として利用してください。
医師としてのキャリアは必要か?
勤務医時代は、とにかくキャリアを積み、自身の研究の成果を発表するなど様々な経験を積んでいらした方も多いはずです。
開業のために、こうしたキャリアが必要となれば、若くして開業する医師は全員クリニック経営に失敗するということになります。
キャリアについての正解はありませんが、若いうちの開業、実績を積んでからの開業のそれぞれのメリットを考えてみましょう。
若いうちに開業するメリット
医師の若いうちというのは、30,40代とします。この世代で開業するメリットをご紹介します。
資金調達が上手くいく
開業を視野に入れていた医師の方は、それなりに貯蓄もあると思いますが、それだけでは開業するための資金は足りません。ほとんどの医師の方は、銀行に融資を依頼します。
医師の年齢から、経営できる期間や回収の目処などを考えた時、やはり若い方が資金調達が上手くいきます。
成功の基準はそれぞれですが、クリニック経営で失敗い、もしくはすぐに閉院する見込みは限りなく低いですから、銀行が貸し渋るということはほとんどありません。そうなれば、年齢を重視するケースはありますから、若い方が得かもしれません。
体力がある
勤務医時代も長時間労働で大変だったと思いますが、開業すると一人での負担は大きくなります。診察に治療にと、休む時間は勤務医時代より少なくなる可能性があります。
初期投資の返済などもありますから、バリバリ頑張りたいという医師の方もいます。そうなれば、若い方が持久力があります。
初期投資が回収できる
若くして開業をすれば、クリニックも長く経営することができますから、初期投資の返済後の回収も大いに期待できます。
利益が大きく見込めるようになるまでは時間がかかります。その後、自分のやりたいことのために資金を準備することも可能になります。
実績を積んでから開業するメリット
実績を積んで、それなりの地位が与えられるのは50代に入ってからです。この年齢で開業するメリットをご紹介します。
治療に迷いがない
勤務医時代の経験が豊富となれば、様々な症状や治療に携わることができます。こうした経験は開業に一人で診察をする時にも迷いがありません。人の命に関わる仕事ですから、適当なことは言えません。さらにはすぐに総合病院に紹介するとなれば、返って不安ばかりになり、信頼を失います。
一人でも自信を持って診察と治療ができるのは、実績を積んだ医師の方が強みとなります。
患者様に信用される
的確な診断と治療は、患者様からの信用度が上がります。患者様にとって信頼できる医師が身近にいることは心強いですから、何かあれば来院されますし良い口コミを広げてくれます。
体への負担が減る
50代ともなれば、体力に不安を感じるようになります。クリニックでの治療では、勤務医時代ほどの体力的な負担が減ります。得意とする治療に専念できますし、少しでも長くクリニックを経営することができます。
見切り発車はダメ計画立ててやる
今回は、医師の年齢から開業するタイミングを考えてみました。
どの年齢で開業するにしても、十分な準備が必要です。そして、詐欺のような話も近寄ってきます。
簡単に開業して成功することなどはありません。必ず、ご自身の経営理念を決めた上で、開業の準備を始めてください。一人で不安であれば、信頼できるコンサルを入れることも成功への近道となります。