クリニックは、スタッフなしでは続けていくことができません。看護師や医療事務員が医師とクリニックを支えてくれています。
長くクリニック経営をするために、少しでも良い人材を確保したいと思うところです。
今回は、良い人材が面接に来た時に逃さないためのポイントをご紹介します。
良い人材を見抜く6つのポイント
スタッフ募集の広告を見て、面接希望者がやってきます。
希望者の人数を問わず、一人一人のどこを見たら「良い人材」だと分かるのか、ポイントをご紹介します。
時間を守る
こちらが指定した時間までに、クリニックを訪ねてくることができましたか?
まずは、社会人としても、マナーとしても時間が守れる人材であることが大切です。
面接の場合、早すぎても困ってしまうので、目安としては15分〜10分前に到着しているかとしましょう。
姿勢
クリニックを訪ねて来たところから面接は始まっています。
しばらく座って待ってもらう時や、面接が始まってからも、相手の姿勢を見てください。背筋を伸ばして座っているかだけを見るのではありませんよ。例えば、待っている間にスマホで暇つぶしをしていないかはポイントです。規模は小さくても医療機関です。スマホの使用は控えることは当たり前ですし、患者様からも印象は良くありません。
受け答え
印象を良く見せたいのは、お互い様です。丁寧な言葉での会話になりますよね。しかし、日頃の話す癖というのは必ず出てしまいます。隠しても話す癖や言葉のチョイスは随所で出てきます。そんな時にあまりにも汚い言葉を使う人だと、それがそのままクリニックの印象となってしまいます。
話をしながら違和感を感じる時には、注意しましょう。
履歴書
文字が綺麗でなくても、一生懸命に書きましたというのは履歴書の文字を見れば分かります。逆に気楽に書いてしまえば、そのままの文字が履歴書に現れてきます。
内容をきちんと確認することはもちろん大切ですが、文字に現れる印象も大事にしてください。
経験値
クリニックの求人募集の場合、看護師、医療事務のどちらにしても、すでに働いていたという経験者の募集が多いのも特徴です。
どれくらいの規模の医療機関で働いたのか、どの診療科を経験しているのかなど、ご自身のクリニックで働いてもらったら助かるという経験値があるかを、面接の中で聞いて確認してください。
いま必要な人材
どんなに優秀な人でも、いまクリニックが必要だと思う人材であるかを見極めてください。
新規開業時、中途採用などシチュエーションが変われば、求める人材も大きく変わっていきます。
だから、優秀な人材でも今回は求める人材に該当しないケースもありますし、活かしてあげられないことも宝の持ち腐れです。
人材を逃さないポイント
面接で「この人だ!」と思える面接希望者に出会えたら、そこから勝負の時です。ここでのアプローチの仕方を間違えてしまうと、良い人材を逃してしまうことがあります。きっちり良い人材を確保するポイントはこちらです。
内定を早く出す
良い人材だと思ったら、必ず早く内定を出してください。悩む暇はなく1日でも早く対応することが勝敗を分けます。
他に面接する人がいなければ、翌日に内定を出しても問題ありません。他に面接希望者がいる場合は、何らかの形で連絡を取りましょう。
クリニックの求人の場合、面接に来る人のほとんどが「ここじゃなきゃダメ」という熱い思いで来る人はいません。何らかの自分の求める条件に該当すれば、どこのクリニックでも問題ないという人ばかりです。
だからこそ、必要な人材で逃したくないと思うのなら、早めにアプローチをしましょう。相手も「必要とされている」とモチベーションが上がります。
相手の意欲が下がってしまう前に、鉄が熱いうちに勝負してください。
見られているという意識
面接に来てくれるのだから、「見るのはこちら」と思っていると、失敗してしまうことがあります。
これは、どういうことかといえば、相手も自分が就職をして働く職場となるのですから、建物やスタッフをよく見ていることが考えられます。
見られているという意識の中で、注意するべき点をご紹介します。
待合室など院内の様子
新規開業の場合には、院内も新しく綺麗なのでよほどの汚れがなければ問題ありません。しかし、既存のクリニックの場合は、掃除がきちんとされているか見られています。毎日いると目が慣れてしまい気づかいないこともあります。
面接の日には、いつも以上に院内をきれいに掃除しておきましょう。
スタッフの話し方
これは良い人材の見抜き方にも書きましたが、面接に来る側も働くスタッフの様子を見ています。聞こえてくる話し声や言葉遣いなど、患者様との接し方なども見ています。採用されたらお互いが同僚になるわけですから、どちらも気になるところです。
普段の癖や習慣は、急には変えられませんよ。
医師が不在
事務長や各部門のリーダーに面接を任せてしまい、面接に立ち会わないというケースがあります。クリニックの顔でもある医師が面接にいないとなれば、面接希望者は「ここはどんなクリニックなんだろう」と不安になってしまいます。
どんなに忙しくても面接には立ち会ってください。そして、クリニックの理念やこれからの展望についても話して聞かせてください。その上で、相手にはお願いしたい仕事やクリニックでのルールーなどをきちんと伝えてあげてください。
事前に履歴書の内容は確認をする
これはあくまでも事例ですが、悪い事例として紹介します。
クリニックの面接に行き、現れた面接官は「誰の面接をするの?」と言ったそうです。これは酷いですね。
面接をする側として、どんな求人を出していて、どんな人が来てくださったのか、聞いてみたいことなどをある程度用意しておくことが、迎える側の礼儀でもあります。
事例のようなことにならないように、事前に履歴書の内容を確認して面接に挑むようにしてください。
相手のことを思い、丁寧な対応に徹すること
面接のために必要なことを紹介していますが、やはり大事なことは「あなたが必要です」ということをはっきり伝えることです。
ほとんどの人が承認欲求を求めています。誰かに認められたい褒められたいと思っています。だからこそ、内定を急ぐことにも意味があるのです。
面接を受けてから、一週間、二週間も返事が来ない状況を考えてみてください。不安になりませんか?「もう面接はダメだったな」「次を探そう」と、自然にそう思うようになり、別のクリニックに就職が決まってもおかしくはありません。
逃した魚は大きいと、あとで後悔しないためにも一人一人との接し方を考えてみてください。
就職日までが長い場合
良い人材を確保して就職日が決まったけど、その日までに少し間が空くケースもあります。その場合も面接と同様にクリニック側から、積極的に関わることをしてください。
例えば、スタッフとの顔合わせや制服のサイズ合わせなど、様々な理由でクリニックに足を運んでもらうことを考えてください。
また、就職が決まっていても「もっと条件のいいクリニック」を探していることもあります。先述したように、「ここがいい」という執着はありませんから、就職を辞退することもあります。これを防ぐためには、時期としては少し早く感じられる人もいますが、契約書に署名捺印をもらってください。
ここまですれば、簡単に乗り換えることはありません。
おせっかいが過ぎると、かえって逆効果になってしまうので、付かず離れずの距離感で就職する日を待ちましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、面接に来た良い人材を逃さないためのポイントをまとめてみました。
人と人の関わりはもちろん、クリニックでは圧倒的に女性が多いですから、トラブルは避けたいことです。
そのために何が必要なのか、そして院長であるご自身は何ができるのか?
良い人材を確保して、クリニック経営を安定させることを考えていきましょう。