クリニックを開業するとき、正式なオープン前やオープン直後に内覧会を開く場合があります。
内覧会とは地域の人をクリニックに招待して設備や先生などを知ってもらう機会を設けることです。
内覧会をするかどうかは先生次第ですが、開業後すぐにお客様を集めたいのであれば内覧会をした方が良いでしょう。
ただし内覧会を開くときには必ず成功させるためのポイントを押さえなければいけません。
なぜなら、内覧会はクリニックに対するお客様の印象を大きく左右するものだからです。
施設が綺麗でスタッフの愛想も良く、また来たいと思ってもらえれば後の集患に繋がりますが、反対に内覧会であまり良い印象を受けなければ開業後に来ようとは思ってもらえません。
そこで今回はクリニックを開業するときに内覧会をするメリットや成功させるための方法をまとめました。
開業に当たって内覧会の開催を考えている方や開業後すぐに患者さんを集めたいという方はぜひ参考にしてくださいね。
認知度が上がる。
クリニックが内覧会をするメリット5つ
病院の開業前に内覧会を開催すると色々なメリットがあります。
開業後すぐは病院の経営が安定しないものですが、内覧会を開催することでそうした悩みも解決するかもしれません。
そこでまずは内覧会をするメリットを5つご紹介しましょう。
1.クリニックの認知度が上がる
内覧会を開催するメリットと言えばなんといってもクリニックの認知度が上がることでしょう。
病院を開業してからすぐは地域の方が病院が新しく出来たことに気づいていないのでなかなか患者さんが集まりません。
しかし、開業前に内覧会があることを告知し、実際に来てもらえれば体調が悪くなったときに行ってみようと思ってもらえます。
告知を徹底すれば内覧会に来ない人でも病院が新しくオープンすることだけでも知ってもらえます。
2.地域の人が安心できる
初めての病院に行くときは
「信頼できる先生かな?」
「丁寧に説明してもらえるかな?」と不安に思う人は多いです。
もし内覧会に行って先生と直接話したり、クリニックの隅々まで見ることができたら雰囲気をつかむことができ、初めて診察を受けるときでも安心することができます。
内覧会には地域の方にとってもメリットがあるのです。
3.患者さんの層を把握できる
内覧会に地域住民の方々に来てもらうことで病院の患者さんの層を知ることができます。
高齢者が多いのか、それともファミリーが多いのかなど患者さんの特徴を知ることができればその先のPRの方法もその人たちに向けて行うのでより効果が出やすくなります。
今後の病院運営に生かすためにも内覧会当日はどのような人が来ているかよく観察しましょう。
4.良い口コミが広がるきっかけになる
内覧会に行った人が良い印象を受けた場合、内覧会に行っていない人に良い口コミを伝えるというメリットもあります。
口コミには大きな力があり、良い口コミを聞いた人は自分も利用してみようかなと思うものです。
皆さんも友人や家族から「あの商品よかったよ」と言われて買ってみようと思ったことがあるのではないでしょうか。
開業後に実際の利用者による口コミが広まるまでにはかなり時間がかかり、その分集患にも苦労するので、早くから口コミを広めることで開業後すぐでも患者さんが集まることを期待できます。
5.支えてくれた周りの人への感謝を伝えられる
内覧会に来るのは地域の方々だけではありません。
家族、勤務医時代にお世話になった先生や同僚、知人など普段からあなたを支えてくれる人もまた訪れます。
そうした人たちに内覧会を通してクリニックを見てもらうのは今まで支えてもらった感謝を伝えることになります。
内覧会には今までお世話になった人も招待しましょう。
地域住民に開催を告知をしよう。
クリニックの内覧会に必要な準備5つ
内覧会を開催するためには事前に準備が必要です。
しっかり準備しておくことは内覧会の成功に繋がります。
そこで次に内覧会に必要な準備を5つまとめました。
1.日程の決定
内覧会を開催するに当たってまずは日程を決めましょう。
日程設定は単純なプロセスのようでとても大切な意味合いを持っています。
内覧会は平日を避けて土日祝に行うのが望ましいです。
開業後は平日を中心に診療を行う場合でも、内覧会は一般的に休みの人が多い土日祝にすることでたくさんの人を集めることができます。
スタッフは休日出勤になってしまいますので事前に説明して理解してもらいましょう。
2.内覧会の開催を告知する
日程が決まったら地域の方に内覧会の開催を告知しましょう。
内覧会に人が集まるかどうかは告知の方法によって大きく変わってきます。
ポスティングや新聞折込など確実に地域住民の方の目に留まる方法で告知をすることで内覧会の開催を多くの人に知ってもらえます。
費用はかかりますが、ここでしっかり告知することで後の集患の成功にも繋がります。
3.粗品を準備する
内覧会では来ていただいてお礼に粗品を渡すことが多いです。
もし粗品を配るのであれば当日までに用意できるように発注しておきましょう。
粗品はカレンダーやメモ帳など色々な種類があるので喜んでもらえそうなものを選びましょう。
また、あまりにたくさん発注してしまうと全て配りきれなくなってしまうので、当日に来る人数を想定した上で発注しましょう。
4.スタッフの教育をする
内覧会当日はスタッフも来場した人の対応をすることになります。
もしスタッフの愛想が良くなかったり、上手く誘導できなかったりすれば病院への信頼を損ねてしまいます。
そこで当日までにスタッフが気持ちよく地域の人と交流するように教育しておきましょう。
明るくて元気の良いスタッフに対応してもらえれば地域の方に良い印象を持ってもらえますよ。
5.当日の最終準備
内覧会当日は不備がないか徹底的に最終チェックを行いましょう。
院内の掃除を隅々までしたり、雨が降っても良いように傘立てやマットを準備したりと全ての人を気持ち良く迎えられるように最後まで油断せずに準備しましょう。
自分達では不備に気付きにくいのでスタート前に知り合いに来てもらって気になるところがないか聞いても良いでしょう。
地域の方と積極的に交流しよう。
クリニックの内覧会を成功させるポイント6つ
内覧会を成功させるためには徹底した事前準備以外にも大切なポイントがあります。
そこで最後にクリニックの内覧会を成功させるポイントを6つご紹介しましょう。
1.内覧会の目的を決める
内覧会をするに当たって明確な目的を必ず決めましょう。
例えば
「新しい病院が開業することを知ってもらう」
「病院の理念を知ってもらう」
「医師の人柄を知ってもらう」
など、具体的に目的を設定することでそれを達成するために有効な準備をすることができます。
目的が曖昧だと内覧会の成果も出にくくなってしまいますから、何を第一の目的とするのかをまずは考えましょう。
2.内覧会の順路を決める
内覧会を成功させるためには順路を決めておくことも大切です。
特に広い病院の場合はある場所に人が集中して身動きが取れなくなったり、見落とす場所が出たりして来場者の満足度を下げてしまいます。
そこで内覧会の順路を決めておき、スタッフとも共有して当日はスムーズに案内できるようにしておきましょう。
3.スーツでの来場は避けてもらう
知人や関係者にはスーツでの来場を避けてもらうようにお願いしましょう。
もしスーツ姿の人が院内にたくさんいれば地域の方々は中に入りづらくなってしまいます。
また、見学中の方も居心地が悪くなってしまうでしょう。
そのために事前に内覧会に来ると予想される知人には多くの人が入りやすい雰囲気にするためにもカジュアルな服装で来て欲しいと伝えておきましょう。
4.地域の人と積極的に交流する
内覧会では積極的に地域の人と交流しましょう。
院長自らが地域住民と話して触れ合うことで病院に対して親しみを持ってもらえますし、この先生に診てもらいたいと思ってもらえることもあるかもしれません。
知人が来るとついその人とばかり話してしまいがちになりますが、それでは地域の方は院長と距離を感じてしまいます。
開業後に多くの患者さんに来てもらうためにも関係者と話す時間はほどほどにしておき、地域の人としっかり交流しましょう。
5.お祝いの品は院長が受け取る
開業のお祝いの品を内覧会で持ってくる人もいるかもしれません。
その際は出来るだけ院長が直接受け取るようにしましょう。
スタッフが受け取って後で渡しておきますと伝えるだけでは「わざわざ来たのに」と怒らせてしまうことになりかねません。
院長は関係者への挨拶や地域の方との交流などで内覧会当日はかなり忙しくなりますが、やはり直接受け取るのが望ましいです。
スタッフにもお祝いの品を持ってきた人がいたら伝えるように言っておきましょう。
どうしても受け取れなかった場合は後で個別にお礼の連絡をすると相手に喜んでもらえるでしょう。
6.地域の方の医療へのニーズを探る
地域の方と話をするときは内容にしっかり耳を傾けましょう。
「丁寧な接客をする先生が良い」
「親しみやすいクリニックが良い」
「この症状で悩んでいる」
など話から病院に対する色々なニーズが見えてきます。
地域の方のニーズは地域に愛されるクリニックにするための重要な鍵になりますから、話をしっかり聞いてその内容を頭に入れましょう。
まとめ
開業前にクリニックの内覧会を開くと認知が広がったり、地域の方に安心してもらえたりといったメリットがあります。
内覧会を成功させて病院の経営の安定に繋げるためにはまずは内覧会に向けてしっかり準備をして、当日は地域の方と積極的に交流することが大切です。
今回ご紹介したポイントを押さえてぜひ実りある内覧会を開催してくださいね。