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【2020年】クリニック開業における金利事情について

【2020年】クリニック開業における金利事情について

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて資金繰りが悪化した企業を支援するため、メガバンクは新たな融資制度を設けたと明らかにしました。

日銀が特別に金利0%で金融機関に供給する資金を元手にするため、通常よりも低い金利で融資できるとのことです。三菱UFJ銀行は数千億円の融資枠を設けました。三井住友銀行は大企業向けに2000億円、中小や零細企業向けに1000億円をそれぞれ準備しました。取扱期限は9月末です。

クリニックの開業について

自分の経営するクリニックがどのような医療コンセプト・診療コンセプト・経営コンセプトをもつのかを考えることが第一に重要です。

すでに開業しているクリニックに対抗する為には、どのようなコンセプトを自院に設定するのかを思案します。

感染症の対応はどう考えるのか。健康を維持していく為の対策についてなど自院の特徴をアピールしていきます。

コンセプトを決めるのに必要なものの一つに診療圏調査があります。
診療科目によって違いますが、内科・小児科においては、半径500m~800mの所までのラインが一番患者さんを期待できる優先エリアになります。

整形外科においては1km~2kmまで広げて考えてみます。開業候補地を決めるのに診療圏の調査は重要です。その上で物件を探します。

物件が決まったら事業計画を立てます。
賃貸物件の場合、保証金・家賃・共益費など開業の為に必要な資金の見積もりを概算でとります。内装工事費用・家具・備品さらにレントゲンやエコーなどの医療機器などはもっとも大きい資金になります。

一日あたりの患者数、科目別に平均的な患者の診療単価は、ほぼ科目によって決まっていますので、自分のクリニックの診療日・診療時間を決めることによって月間の平均的な売り上げを設定することができます。

さらに年間売上を設定します。事業計画はコンサルタント会社に依頼すると良いでしょう。

事業計画が立ったら借入金・自己資本を含めた資金計画を立てます。

借入金についてですが、銀行借入、医師信用組合の融資、リース会社の融資、公的資金としては日本政策金融公庫があります。

金利はそれぞれの条件によって変わります。
担保の有無も変わります。融資金額の上限についてもそれぞれあります。

リース会社では、レントゲン・CT・MRIあるいは電子カルテなどの医療機器をリースすることができます。殆どの開業医は、様々なリースを利用する例が多いのが現実です。

金融機関の融資判断について考えてみました。自己資本や借入額、事業計画が無茶でない事。院長の人柄や信用度、総合的に見て開業が成功しそうか、その銀行自体の厳しさ、など基準は様々あります。

金融機関を分類すると、メガバンク、地方銀行、信用金庫、などがあります。

利率は一般的に大きい銀行の方が低くなります。
大きい銀行は市場から調達した資金を融資の原資とするのに対し、信用金庫などは預金として預かった資金を原資に融資を行うからです。

ただ、審査は大手ほど厳しくなります。

借りた後の対応はメガバンクなど大手ほどドライです。
信用金庫や地方銀行などは地域社会の振興にも積極的で、地元企業や地域住民、行政機関とネットワークを築きながら、地域に根差して活動していますので、親切に対応してくれます。

特に、その銀行の主戦場から少し離れた都道府県にポツンと店舗を構えているような地方銀行の場合、地域に根差して預金を受け入れる目的ではなく、融資に特化した店舗でしょう。

そういった地方銀行では他行よりも良い条件で借り入れができます。

  • 地方銀行:金利低め。審査堅め。融資実行後の営業活動積極的です。
  • 信用金庫:金利やや低め。審査は緩め。スピード感は各金庫によります。融資実行後の提案などの動きがいいです
  • 信用組合:金利はやや高めです。審査は緩めです。スピード感は各金庫によります。日本政策金融公庫との強調融資を開業時に提案多いです。融資実行後の提案なども動きがいいです。

日本政策金融公庫について

財務省所管の政府系金融機関です。審査のハードルが低く、無担保無保証、低金利で借りられるということが特徴です。

また、「地域活性化・雇用促進資金」による地方銀行や信用金庫と強調融資も行っています。

★地域活性化・雇用促進資金・・・地域経済の活性化に資する取組みを行う企業を支援する日本政策金融公庫の特別貸付制度

新規開業資金               

限度額:7200万(運転資金4800万)     

期間:設備20年、運転7年         

担保保証人:相談 

新創業融資制度

限度額:3000万円(運転資金1500万円)

担保保証人:原則不要

参考

J銀行

新規に開業を予定している医師を対象に、円滑・スピーディな融資審査・回答を行います。
開業科目・形態(戸建・テナント)担保の状況や 団体信用生命保険への加入有無等により、融資金額・期間・利率の適用が異なる商品設計となっています。
(金利選択型変動 2.975%から)担当者により、財務相談、医療機器リース、診療費決済方法といった開業時に不可欠なコンサルティングを行います。

融資期間は戸建開業(20年以内)
テナント開業(15年以内)
原則無保証人(団体信用生命保険への加入等)

M銀行

銀行の支店・法人営業推進部・支社で借り入れがない(含む関連企業)
設立後2年以上の法人が対象です。
医師個人の場合、最終ご返済年齢が満70歳未満の方・団体信用生命保険に加入が認められることが条件になります。

TKCクリニック開業支援アドバイザーが作成指導した「事業計画書」の提出が可能なこと。
TKC医業会計ベース(医師用会計システム)の導入を予定していることが必要です。

融資額3000万円以内(年1.975%から)最長7年・原則無担保
融資額1億円以内(年1.6%から)最長10年・担保(不動産・預金)
共に医師個人の場合は保証人不要です。

H信用金庫

事業性評価ローン

地域金融機関であるため、当信金の本支店に本店が所在することが条件になります。
創業期の場合、資産総額の1/10以上の事業に使用される自己資金が確認出来る事が必要です。

当金庫の会員・または会員資格のあること。
日本政策金融公庫と当金庫による協調融資をうけること、実質的に債務超過でないことが条件になります。

事業上必要な設備資金・運転資金・融資額(当金庫500万円以内)
融資期間(7年以内)
融資利率(日本政策金融公庫の協調融資と同一金利)
連帯保証人(個人事業主は不要)
法人の場合は代表者の方に連帯保証人参加が必要です。担保は不要です。

リース会社

医療機器の購入資金が不足する場合は、リースの調達を検討しましょう。金利は銀行融資より少し高くなりますが、担保はいりません。

又、どうしても資金が不足するような場合は、中古品を購入したり、機器の質を少し落としたりすることも一つの方法です。

まとめ

商品を販売している金融機関ならば大きな金利差はありません。

最近は公的金融機関・地方銀行・信用金庫・リース会社等のノンバンク等様々な金融機関が医療機関向け融資商品を販売しています。

お金を借入れるのに、金利が安いのは確かに大事な要素ですが、金利だけで決めずに返済期間を考えて契約出来る金融機関を選ぶことが大切です。どのくらい患者さんが来られるか分からない段階では無理な設備投資は控えましょう。

そして、運転資金は一段と余裕を持った計画にしましょう。開業後、経営が軌道に乗ってから調達しても間に合う設備投資は結構ありますので、慎重に計画を立てましょう。

この条件を踏まえて、金融機関を選定することが、事業を成功させるカギの一つになることでしょう。