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クリニック開院成功の鍵!患者様もスタッフも満足する10の動線設計テクニック

クリニックの開業において「良い立地」「優れた医療機器」「充実したスタッフ」と並んで重要なのが「使いやすい院内設計」です。

特に患者様とスタッフが快適に移動できる動線設計は、クリニックの評判や運営効率に大きな影響を与えます。患者様にとっては、院内での移動がストレスフリーであることでクリニックの評価が上がり、スタッフにとっては業務効率良いことで仕事への意欲が高まります。

しかし、患者様によって良い動線とスタッフにとっての良い動線は、必ずしも一緒とは限りません。ですから、双方を満足させるバランスの取れた設計は非常に難しいといえます。

そこで今回は、患者さんとスタッフの双方が満足する理想的なクリニック動線設計のテクニックを1ご紹介します。これらのポイントを押さえることで、開業後の「こうしておけばよかった」という後悔を減らしていきましょう。

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目次

患者視点の理想的動線設計

患者が心地よく利用できる動線設計はクリニックの評価を大きく左右する

医療の質とは別に、クリニックが評価されるポイントは主に2つあります。
・院内での移動が複雑で分かりにくい
・診察までに長時間待たされる
このポイントに当てはまる場合は、患者様のクリニックへの満足度は低下しているかもしれません。

ですから、これらを改善してスムーズで快適な院内環境は患者様に安心感を与え、再来院や口コミによる新規患者獲得につながります。

院内の動線にこだわる理由は、ここ数年でクリニックでできる治療や検査が増えており、院内の動線が複雑になっていることもあり、看護師に誘導してもらうなんてことがあるからです。
そのため、患者様はクリニックの使いやすさを重視しているといえます。

患者様に寄り添って考えたい動線設計

実際に、動線を考える時には、患者様に寄り添い「目線を合わせて」考えていきましょう。
相手の立場に立つことで見えてくることがあります。

明確な入口から受付までの誘導設計

クリニックの顔となる入口から受付までの動線は、入ってすぐに受付が視認でき、迷うことなく進めるよう設計します。廊下には不必要な曲がり角を作らず、自然と受付に導かれる動線を考えてください。

入口付近には、靴の着脱スペースや傘立てなど、季節や天候に配慮した設備を十分に確保することも大切です。車いすやベビーカーでもスムーズに入れるよう、段差をなくし、十分な幅を確保した入口設計も患者満足度を高める重要な要素です。

待合室からプライバシーを守る診察室配置

待合室と診察室の配置関係も重要なポイントです。患者様の声や症状が待合室に漏れないよう、十分な防音性能を確保した上で、診察室は待合室から直接見えない位置に配置してください。
また、診察室への入退室時に他の患者様の視線を感じにくい工夫も必要です。

待合室から診察室までの移動距離は短く、分かりやすいことが望ましいですが、プライバシー確保のためにある程度の区切りは必要です。廊下を介した配置や、緩やかなカーブを描く通路設計により、直線的な視線を遮る工夫が効果的です。

分かりやすい案内サイン計画と視認性の確保

高齢者や初めて来院する患者様でも迷わないよう、院内の案内サインは視認性が高く、シンプルであることが重要です。文字サイズ、色彩コントラスト、設置位置などを工夫し、必要な情報がすぐに目に入るよう配慮しましょう。

特に、トイレや会計窓口など、頻繁に利用される場所への誘導サインは多言語対応や絵文字(ピクトグラム)を活用することで、より多くの患者様に配慮した設計となります。

また、床面の色分けや壁面の特徴的なデザインを用いて、視覚的に進行方向を示す工夫も効果的です。

患者様に安心感を与える空間づくりが患者満足度向上のポイント

上記の設計テクニックを適切に組み合わせることで、患者様が「迷わない」「困らない」「不安にならない」クリニック空間を実現できます。

スタッフの業務効率を高める動線設計

スタッフの仕事が仕事が効率良く進むことは、院内の業務がスムーズに進むだけでなく、患者様にも迅速な対応をすることができます。

スタッフの動線の良さはクリニックの印象に直結する

スタッフがムダな移動や動作なく業務を行えることは、単なる労働環境の改善にとどまらず、クリニック全体の質と効率に直結します。

適切な動線設計により、スタッフは本来の医療業務に集中でき、患者様への対応や補助ができるのでケアの質を高めることが可能になります。

ムダな移動や動作の削減が疲労軽減と医療ミス防止につながる

医療現場での長時間勤務や繰り返しの動作による疲労は、医療ミスのリスク要因となります。
スタッフの動線を最適化することで身体的負担を軽減し、集中力の維持と医療安全の向上が期待できます。

また、効率的な動線設計はスタッフの心理的ストレスも軽減し、離職者を減らすことにもつながります。

スマートに働きやすさを考えた動線設計

受付と事務作業スペースの効率的配置

受付スタッフは患者対応と事務作業を並行して行うことが多いため、患者様とスタッフそれぞれのバランスを考慮した配置が重要です。

患者様からは見えやすく、スタッフはプライバシーを要する他者から見えにくいよう、適切な高さのカウンターや半透明のパーティションを設置するなどの工夫が有効です。

また、電話対応、書類整理、会計処理など、異なる業務を効率よく行えるよう、作業スペース内の動線も最適な状態を考えてみてください。
頻繁に使用する機器や書類は手の届く範囲に配置し、立ち上がる必要のある作業を最小限に抑える設とムダがありません。

診察室と処置室の連携を考慮した配置

診療科によっては、診察後すぐに処置や検査が必要となるケースが多いため、診察室と処置室の近接配置が望ましいです。患者様の移動負担を減らすと同時に、医師や看護師の移動距離も最小化できる配置を検討しましょう。

特に整形外科や皮膚科など、診察と処置を頻繁に行き来する診療科では、診察室と処置室の間に扉や通路を設けるなど、スタッフが素早く移動できる工夫が効率向上に大きく貢献します。

薬剤・医療材料の保管と供給の効率化

診療中に頻繁に使用する医療材料や薬剤は、使用場所の近くに保管することで、スタッフのムダな移動を削減できます。各診察室や処置室に最低限の備品を配置しつつ、中央に薬剤・材料保管スペースからの補充ルートを確保する設計が理想的です。

また、在庫管理の効率化のため、保管スペースは整理しやすく視認性の高い設計にすることが重要です。棚の高さや奥行き、引き出しの大きさなど、実際に使用するスタッフの身長や作業内容に合わせた細やかな設計配慮が、日々の業務効率に大きな差をもたらします。

スタッフの働きやすさが持続可能な医療サービス提供の基盤となる

スタッフ視点の動線設計は、業務効率を高めるだけでなく、ストレスを減らし長く健康に働ける環境を作り出します。

これは。クリニックの安定運営と、持続可能な質の高い医療サービス提供につながる重要な投資なのです。

患者とスタッフの双方に配慮した共通設計ポイント

クリニックサポート

患者様とスタッフ、それぞれに最適な動線には異なる要素がありますが、両者に共通して重要となる設計ポイントも存在します。これらを押さえることで、クリニック全体の使いやすさと安全性を高めることができます。

双方のニーズを満たす共通ポイントがある

患者様とスタッフの動線を完全に分離することは現実的ではありませんが、共通する部分で最適化を図ることで、限られた空間内でも両者の満足度を高めることができます。

特に安全性や移動のしやすさに関わる要素は、患者様にもスタッフにも同様に重要です。

患者様とスタッフの両者が歩み寄れる動線設計

患者とスタッフの動線交差を最小化する間取り

患者様とスタッフの動線が頻繁に交差すると、双方に不便さやストレスが生じます。特に、清潔区域と不潔区域の区分けや、患者様のプライバシーの保護などの観点から、両者の動線は適切に分離することが望ましいです。

例えば、スタッフ専用の裏動線(バックヤード)を確保することで、患者様の目に触れずに物品の搬入や廃棄物の搬出が可能になります。

また、診察室に医師用と患者用の別々の出入り口を設けることで、次の患者を待たせる時間を短縮できるとともに、医師の集中力維持にも貢献します。

バリアフリー設計による移動のしやすさ確保

高齢者や障害をお持ちの患者様だけでなく、医療機器や車いすを操作するスタッフにとっても、バリアフリー設計は移動効率を大きく向上させます。床の段差解消、十分な廊下幅の確保、車いす対応トイレの設置などは基本中の基本です。

特に注意すべきは、一見バリアフリーに見えても実用的でない設計を避けることです。
例えば、スロープの勾配が急すぎると、車いすを押すスタッフの負担が増大します。また、床材は滑りにくく、かつ車いすや医療機器の車輪が通りやすい素材を選定することが重要です。

緊急時の避難経路を考慮した安全設計

緊急時の避難動線は、患者様とスタッフ両者の安全を確保するために最も重要な設計要素の一つです。避難経路は複数確保し、分かりやすい誘導サインと非常灯を適切に配置することが必須です。

また、災害時や緊急搬送時に、医療継続のためのスタッフ動線と患者避難の動線を区別して計画することも重要です。特に規模の大きいクリニックでは、一般患者様と緊急患者様の動線分離や、感染症対策のためのゾーニングなども考慮した総合的な安全設計が求められます。

総合的な視点での設計が長期的な運営成功につながる

患者様とスタッフ双方の視点を取り入れた共通設計ポイントを押さえることで、クリニック全体としての機能性と安全性が向上します。これは将来的な設備更新や拡張の際にも役立つ基礎となり、長期的なクリニック運営の成功にも一役買います。

近隣と調和するクリニック設計

クリニックは医療施設である前に、地域社会の一員でもあります。
周辺環境と調和し、近隣住民に受け入れられる設計は、長期的な運営安定性に大きく貢献します。

特に住宅地に開業する場合は、外部からの視線や騒音など、地域への影響を考慮した設計が不可欠です。

近隣からの苦情や問題は運営に大きな支障をきたす

開院後に近隣住民からの苦情や反対運動が発生すると、クリニックの評判が低下するだけでなく、改修工事や営業制限など予期せぬコストや制約が生じる可能性があります。

設計段階で適切な配慮を行うことで、こうしたリスクを大幅に軽減できます。

地域に受け入れられるクリニックの動線設計

駐車場・駐輪場の適正配置と交通動線の工夫

患者用駐車場や駐輪場の配置は、クリニックの利便性と周辺道路への影響の両面から検討する必要があります。特に朝の診療開始時や夕方の混雑時には、周辺の交通流に配慮した車両の出入り設計が重要です。

駐車場の出入り口は主要道路から直接ではなく、脇道からアクセスできる配置が理想的です。また、駐車場内では一方通行の導入や、車両誘導員の配置スペースを確保するなど、混雑時にも周辺道路に車が溢れない工夫が必要です。駐車場から建物入口までの歩行者動線も、雨天や車いす利用者に配慮した設計を心がけましょう。

騒音・臭気対策を考慮した設備設計

医療機器や空調設備からの騒音、医療廃棄物や薬品からの臭気は、近隣トラブルの原因となりやすい要素です。外部に面する場所への防音壁の設置や、排気口の適切な配置と高さの確保など、設計段階からの対策が有効です。

特に夜間や早朝の診療を行う場合は、患者送迎車両のアイドリング音や人の声なども考慮し、建物の配置や開口部の向きを工夫することが重要です。また、外部照明は必要な明るさを確保しつつも、近隣住宅への光害を防ぐ設計とすべきでしょう。

周辺景観と調和するデザイン選択

建物の外観デザインや看板の配置は、地域の景観との調和を考慮することで、良好な近隣との関係構築の助けとなります。過度に派手な色彩や大きすぎる看板は避け、地域の建築様式や色調に合わせたデザインを選択することが望ましいです。

また、敷地境界線付近には適切な緑化や目隠しフェンスを設けることで、プライバシー確保と景観向上の両立が図れます。四季を通じて美しい植栽計画は、患者様にも近隣住民にも好印象を与え、地域に開かれた医療施設というイメージ形成に貢献します。

地域に受け入れられるクリニック設計が長期的な成功を支える

地域環境に配慮したクリニック設計は、開業直後だけでなく、長年にわたる地域からの支持と信頼獲得につながります。地域住民に愛されるクリニックは口コミでの評判も高まり、安定した患者数の維持にも貢献するのです。

まとめ

パース

クリニック開院において、理想的な動線設計は患者満足度とスタッフの業務効率の両方を左右する重要な要素です。

優先順位がつけにくい動線設計においては、双方の希望にどれだけ寄り酔えるのかが決め手であり、長期的なクリニック経営を支えれてくれるきっかけになります。

患者様とスタッフの双方が満足する、理想的なクリニック作りを目指してください。

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