現在のクリニックのホームページは、ひと昔前のように電話帳代わりといったものではなく、確実にクリニックの強みや売りをアピールして新規集客をしていくためのツールになっています。ここでは、患者さんに選ばれるホームページにするために大切なポイントををお伝えしていきます。
なぜクリニックにホームページが必要なのか
現在は、ここで言わずともインターネットでなんでも検索する時代になっていると言っても過言ではありません。ひと昔前までは、クリニックを探すには電話帳を開いたり、通りがかりの目に留まったクリニックにとりあえず行ってみたりという方がほとんどでした。
クリニック数も増え、インターネットでクリニックを検索する人が増えている現在では、「ただ近いから」といった理由だけでは患者さんに選ばれない可能性が非常に高くなります。そうなると、残念なことに新規の患者さんを増やすことはなかなか出来ません。
しっかりとしたホームページを持つことで、クリニックの想い、病院の様子やスタッフの雰囲気、細かな診療内容など、電話帳や街頭看板だけではわからない非常に多くの情報をたくさんの人に見てもらうことが可能となります。
また、クリニックとの取引を考えている業者の方や、勤務・就職したいと考えている方などに対しても、正確な情報や魅力を十分に伝えることができます。
まずは自院のホームページを振り返り目的を考える
自院のホームページに患者さんが本当に知りたい情報が載っているかどうかチェックしましょう。
確かに世の中のクリニックのホームページの多くには、診療方針や診療内容、ドクターの経歴など、基本的な情報は掲載されています。しかし、その情報が患者さんにとって「このクリニックを受診したい」と判断するために十分なものかどうかはわかりません。
そして、本当に知りたい情報を載せるためには、ホームページ制作の目的を整理することが重要です。
新規の来院を増やすのか、再来院の患者さんに情報発信を行うのか、地域の患者さんに来てもらうのか、遠方からも来て欲しいのかなど、目的を明確にする必要があります。
目的により、サイトの構造や見せ方、コンテンツ、文章、デザイン、SEO対策が変わります。
しっかりと目的を考え、優先順位をつけましょう。
患者さんが知りたいことを整理する
目的が定まれば、その目的に合った患者さんは何を知りたいのかを考えます。何を専門とするクリニックかによって患者さんが求めることも違います。
対応できる診療科目は?どんな手術を行なっているのか?どのような病気の治療が得意なのか?病気の名前や症状?診療ポリシー?費用?住所?電話番号?などなど、クリニックに来る患者さんが何を知りたいのか考えましょう。
また、自院の患者さんに調査するのも良いでしょう。調査といってもアンケートをとる等のことまでしなくとも、毎日の診療の中で患者さんからよく聞かれる質問をリストアップすることで整理することが出来ます。
「夜寝てる時に足がときどきつってしまうのですが・・・」「最近咳が続いていて木になるのですが・・・」など、このような患者さんの質問に対して先生は必ず答えていると思います。受付のスタッフにも同じようにリストアップしてもらい、同じ質問を3回以上もらったらホームページに載せる等すると良いでしょう。
患者さんからの視点を大切にする
ホームページに載せる内容を悩んだ際は、患者さんの視点に立って考えるのが良いでしょう。
例えば、「風邪を引いたかな?」「そろそろ花粉症の薬を飲み始めないといけないかな?」「定期検診で便潜血、再検査って出たけどどうしよう」といった、具体的な気持ちに答えられているか考えてみましょう。
患者さんの視点から言ってみれば、「クリニックによって様々な科目はあるけど、違いがわからない」「消化器科・循環器科って書いてあるけど、どんな時に行けば良いのだろうか」というのが正直な感想だと思います。
そんな時は、消化器科や循環器科の病気や症状について分かりやすくホームページに載せてみるのも良いかもしれません。
導線を考えて制作する
ホームページを制作する側は、どこかに書いてあれば見てくれると思いコンテンツページを作りますが、実際のホームページ閲覧ページビューは平均2〜3ページ程度です。そのため、きちんとホームページを見てもらうためには、見せる順番・導線をしっかりと考える必要があります。
また、制作はスマートフォンでの見え方を優先して構成するのが良いでしょう。現在では、個人がインターネットを利用する機器において、スマートフォンが半数以上を占めており、パソコンを上回っています。スマートフォンで見やすい、見たいページにたどり着きやすい、構成、デザイン、コーディングが必要です。
パソコンのページでは電話番号が分かりやすいけど、スマートフォンのページでは分かりにくいとったことがないように、完成時のチェックの際もパソコンだけでなく、スマートフォンでもチェックするようにしましょう。
クリニックの強みを武器にSEO対策を行う
自院が強い診療科目、手術、治療方法などを中心にコンテンツを制作し、SEO対策を行いましょう。地域で発見されるだけでなく、強い診療科目があると遠方からでも患者さんは来られます。腰痛に強いなら腰痛に関する情報を、産婦人科の特定項目に強いならその情報を中心にSEO対策を行いましょう。
ホームページのコンテンツを充実させることもSEO対策に繋がります。病院を探している人はもちろん、現在通院中の患者さんに何度もホームページを訪ねてもらい、頼りにされるクリニックにするためには、コンテンツを充実させるのが効果的です。例えば人工透析を専門としているクリニックであれば、推奨する食事や、生活上の注意点など、患者さんの視点に立った役立つ情報が掲載されていれば、患者さんも定期的にホームページを訪ねてくれるでしょう。
診療科目によってはアナログ戦略も重要
地域のお客様に選ばれるクリニックにするには、ホームページ以外に、地域のクリニックとして目につきやすい工夫をすることが重要です。
クリニックを選ぶ人の約半数が、自宅や職場に近いということを選ぶポイントとしています。クリニックの周辺に住んでいる人や働いている人がすぐに見つけやすいように看板を作ったり、パンフレットやチラシなどの紙ベースの販促物を用意することも大切になるでしょう。
また、診療科によってもアプローチ方法は様々ですが、例えば一般内科の場合、後期高齢者の患者さんを集めたい場合は公民館の健康セミナーなどで講演会を行うことも有効と言えるでしょう。
まとめ
基本的には、クリニックのホームページも通常の企業サイトも集客するために考えることは同じです。きれいなサイトを作ることが目的にならないように、クリニックの得意分野の医療を求める患者さんを満足させるホームーページを制作しましょう。