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開業医の95%が後悔した!クリニック建設前に建設会社と明確にすべき8つの事項

クリニック開業は医師にとって一生に一度の大きな決断です。
開業への道のりには多くのハードルがありますが、その中でも建設段階での決断が、開業後の経営に長期にわたって影響を及ぼします。

驚くべきことに、開業した医師の95%が「クリニック建設時にもっと詳しく考えておけばよかった」と後悔しているということです。
例えば、勤務医として働きながらの場合、仕事が忙しくて建設の細部までケアできなかったり、あるいは建設会社に任せすぎて自分の理想とのギャップが生じてしまったというケースがあるようです。

そこで今回は、こうした後悔を未然に防ぐために、クリニック建設前に建設会社と明確に話し合い、共有しておくべき8つの重要事項をご紹介します。
これから開業を考えている医師の方々が、理想のクリニックを実現し、開業後も満足のいくクリニック経営ができるようなアドバイスをお届けします。

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目次

1. 将来的な拡張性を考慮した設計

クリニック開業時には目の前の開院準備に意識が集中しがちですが、将来の発展を見据えた設計が重要です。

開業後に「もっと広くてもよかったな」と後悔する医師は意外と多く、拡張性への配慮は開業前に建設会社と必ず話し合うべきポイントです。

クリニックの成長に合わせた拡張可能な設計が重要

クリニック開業時には、診療規模や患者数の予測に基づいて設計を行いますが、実際に開業してみると予想を上回るペースで成長することも少なくありません。

そのため、将来的な拡張性を考慮した設計は、長期的なクリニック経営において非常に重要な要素となります。

患者数増加や医療機器の追加導入に対応できる柔軟性

拡張性についてこだわりたい理由は、クリニックの成長に伴い、以下のような変化に対応する必要が生じるからです。

  • 患者数の増加による待合室の拡張
  • 診療科目の追加や専門外来の開設
  • 最新医療機器の導入によるスペース確保
  • スタッフ数の増加に伴う業務エリアの拡大

これらの変化に対応できる柔軟な設計となっていないと、将来的に大規模な改修工事が必要となり、診療の中断や多額のコスト負担が発生することが考えられます。

将来ビジョンを建設会社と共有する重要性

クリニック建設前には、5年後、10年後のビジョンを具体的に描き、それを建設会社と共有することが重要です。

下記の点について、明確にお伝えましょう。

  • 将来的に導入したい医療設備や診療科目
  • 想定する患者数の増加ペース
  • 周辺環境や競合状況の変化予測
  • 医療技術の進化に対応するための柔軟性

これらの情報を建設会社と共有することで、将来的な拡張や改修を見据えた設計提案を受けることができます。

特に、建設のプロでないと気付けないような壁の構造や設備配管の配置など、見えない部分にも拡張性を持たせることが、将来の選択肢を広げる鍵となります。

2. 患者動線と医療スタッフ動線の明確な区分

診療効率と患者満足度を左右する重要な要素として「動線計画」があります。
例えば、クリニック開業後に「この配置は不便だった」と感じるのは、建設時に動線計画を十分に検討していなかったことが原因として考えられます。

患者様とスタッフの動きを事前に想定した設計が、長期的な経営効率に大きく影響します。

患者とスタッフの動線を分けることで医療効率が大幅に向上する

クリニック設計において最も見落とされがちですが、日々のクリニック経営に大きな影響を与える要素が「動線計画」です。

建物だけを考えていると気づきにくいですが、患者様の移動経路とスタッフの業務動線を明確に区分することで、診療効率の向上、患者満足度の向上、そして医療安全の確保につながることは間違いありません。

診療効率と患者プライバシー保護の両立

導線計画について、患者動線とスタッフ動線を分けて考える理由はこちらです。

  • 患者様のプライバシー保護:他の患者様からの目に触れずに、処置室や検査室へ移動できる
  • 医療効率の向上:スタッフが患者様の移動を待つことなく業務を進められる
  • 感染管理:清潔区域と不潔区域の明確な区分が可能になる
  • 緊急時の迅速な対応:スタッフ専用の動線確保により緊急時の移動がスムーズになる

特に、近年は個人情報保護やプライバシー意識の高まりにより、待合室から診察室への動線や会計時の配慮など、患者様の視線を意識した設計が求められています。

図面段階でシミュレーションする重要性

動線計画は図面上で見ただけでは問題点が見えにくいため、下記のようなシミュレーションを建設会社と一緒に行うことをオススメします。

  • 患者役とスタッフ役に分かれての動線チェック
  • 一日の診療の流れを時間軸で追った検証
  • 繁忙時間帯での複数患者の同時来院を想定したシミュレーション
  • 車椅子やストレッチャーでの移動を考慮した幅員確保

建設会社に対して「患者とスタッフの動線を分けてほしい」と伝えるだけでは十分に伝えることはできません。

そこで大事なのは、医療従事者の目線で伝えるということ。具体的な診療の流れや想定されるシナリオを説明し、それに対応した動線設計を提案してもらうことが重要です。

3. ランニングコストを抑える設備選定

クリニックサポート

クリニック開業時には初期費用に目が行きがちですが、長期的な経営安定のためには月々のランニングコストが非常に重要です。

建設時の設備選定が将来の経営を左右することを理解し、短期的なコスト削減だけでなく長期的な視点で設備を選んでいきましょう。

イニシャルコストだけでなくランニングコストも考慮した設計が必須

クリニック建設において、設備導入時の費用(イニシャルコスト)のみに注目してしまう医師は少なくありません。

しかし、実際のクリニック経営では、電気・ガス・水道などの光熱費、設備のメンテナンス費用、消耗品の交換費用など、毎月発生するランニングコストが経営を圧迫する大きな要因となります。

クリニックは一般的な事務所に比べて消費電力が2〜3倍、水道使用量も非常に多いので、ランニングコストを意識した設備選定は経営安定化の重要な鍵となります。

省エネ設備への投資が長期的に経営を安定させる

初期投資を抑えるために安価な設備を選ぶと、長期的には割高になることが多くあります。
例えば、高効率な空調システムは導入コストが高くても、月々の電気代削減効果によって2〜3年で投資回収できるケースも少なくありません。

また、医療機関は24時間稼働させる設備も多く、わずかな効率差が年間では大きな差となります。省エネ性能の高い設備を選ぶことは、単なるコスト削減だけでなく、下記のようなメリットが得られます。

  • 環境に配慮したクリニックとしてのブランディング効果
  • 設備の長寿命化によるメンテナンス頻度の低減
  • 電力消費ピークの抑制による契約電力量の最適化

ライフサイクルコストの視点を持つ重要性

クリニック建設においては、建物や設備の「ライフサイクルコスト」という考え方が重要です。これは初期建設費用だけでなく、維持管理費、修繕費、更新費用、そして最終的な解体費用までを含めた総コストのことです。

建設会社との打ち合わせでは、下記の点を明確に伝え、ライフサイクルコスト比較資料の提出を求めることをオススメします。

  • クリニックの想定運営期間(15年、20年、30年など)
  • エネルギーコスト上昇を見込んだシミュレーション
  • 設備の更新サイクルと更新費用の見積もり
  • メンテナンスの容易さと費用
  • 設備の遠隔監視や自動制御による管理コスト削減の可能性

短期的な視点ではなく、10年、20年という長期的な視点でのコスト比較を行うことで、経済的な選択ができるようになります。

4. バリアフリー・ユニバーサルデザインの徹底

医療機関には、さまざまな身体状況の患者様が訪れます。高齢者、障がいを持つ方、妊婦さん、小さなお子さん連れの方など、多様なニーズに応える空間設計が求められます。

法的基準を満たすだけでなく、すべての人にとって使いやすいクリニックづくりが、選ばれる医療機関の必須条件となっています。

すべての患者様が利用しやすい空間設計が患者満足度に直結

バリアフリー・ユニバーサルデザインは単なる社会的責任ではなく、クリニック経営においても重要な戦略的要素です。来院されるすべての方が安心して利用できる空間設計は、患者満足度を高め、口コミや再来院につながります。

特に高齢化社会の進展に伴い、高齢患者や介助者への配慮は不可欠です。また、一時的なケガや疾患で移動に制約がある患者様も考慮すると、バリアフリー設計はすべての患者様に対するサービス品質の基本といえます。

高齢者や障がい者にも配慮した設計が選ばれるクリニックの条件

バリアフリー・ユニバーサルデザインがクリニック選びの重要な判断材料となる理由は下記の通りです。

  • 高齢化社会において、移動に制約のある患者様が増加している
  • 障がい者差別解消法の施行により医療機関のバリアフリー対応が社会的責務となっている
  • 子育て世代の親は、ベビーカーでのアクセスのしやすさを重視する
  • 一度訪れて「使いにくい」と感じたクリニックには再来院しない傾向がある

実際に「通院先の医療機関を選ぶ際に重視する点」として「アクセスのしやすさ・バリアフリー」は「医師の評判」「待ち時間」に次いで3番目に重要な要素となっています。

法的基準を超えたユニバーサルデザインの実現方法

バリアフリー・ユニバーサルデザインを実現するためには、建設会社に対して下記の点を明確に伝え、法的基準を超えた取り組みを求めることが重要です。

  1. 現場検証の実施:図面上の確認だけでなく、実寸モックアップでの使用感チェック
  2. 多様な利用者の想定:高齢者、車椅子利用者、視覚・聴覚障がい者、小さな子ども連れなど
  3. 細部への配慮:手すりの高さや形状、ドアの開閉方向、照明の明るさと配置など
  4. 感覚的バリアフリー:色彩計画、音環境、触感など五感に配慮した設計
  5. 将来的な身体状況変化への対応:後付け可能な設備スペースの確保

法的基準はミニマムスタンダードに過ぎません。ユニバーサルデザインは、多様な患者の立場に立ち、使いやすさを最優先に考えることから始まります。

まとめ:理想のクリニック実現のために

パース

クリニック建設は一生に一度の大きな投資であり、その決断の一つひとつが開業後の長い年月にわたって影響を及ぼします。本記事で紹介した8つの重要事項を振り返りましょう。

  1. 将来的な拡張性を考慮した設計
    成長するクリニックだからこそ、将来のビジョンを見据えた柔軟な設計が不可欠です。
  2. 患者動線と医療スタッフ動線の明確な区分
    効率的な診療と患者様プライバシーの両立には、動線の明確な区分けが必要です。
  3. ランニングコストを抑える設備選定
    初期費用だけでなく、長期的な視点でのコスト管理が経営安定化につながります。
  4. バリアフリー・ユニバーサルデザインの徹底
    すべての患者様に利用しやすい空間が、選ばれるクリニックの条件です。
  5. 感染対策を考慮した空間設計
    患者様とスタッフの安全を守る感染対策は、今後の医療施設の標準となります。
  6. 駐車場・アクセスの最適化
    来院の第一歩である駐車場の使いやすさが、患者数に大きく影響します。
  7. スタッフ満足度を高める職場環境
    働きやすい環境づくりは人材確保・定着につながり、医療の質向上に直結します。
  8. 医療機器の将来的な更新を見据えた設計
    機器更新の際の改修コストと診療中断を最小化する設計が、長期的な診療継続のポイントです。

これらの事項は、単に建設会社に「お任せ」にするのではなく、医師自身が積極的に考え、要望として伝えることが重要です。理想のクリニックを実現するには、建設の専門家である建設会社と、医療の専門家である医師が、それぞれの知見を持ち寄り、対話を重ねることが不可欠です。

「建てて終わり」ではなく、10年、20年と続くクリニック経営の基盤を作るという意識で、建設計画に取り組みましょう。後悔のない建設判断が、長期的に安定した経営と質の高い医療提供につながります。

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