内科
内科では勤務時間が季節により変則勤務になるケースがあります。
インフルエンザを始めとする予防接種の時期、消化器・胃腸科の医療施設では、診察前に 内視鏡検査やエコー検査(超音波検査)を実施することがあります。
診療時間は九時からでも八時から検査開始、十六時から診察開始でも十五時からエコー検査開始……等がそれに当たります。
ほとんどは看護師が医師と共に対応しますが、受付業務・会計業務のために当番制で早出出勤を求められることがあります。
冬場には呼吸器感染症の患者様が多く来院されます。自分自身が風邪やインフルエンザに感染しないように普段から体調管理に注意し、マスクを早い時期から装着します。
患者様の大半は急性期疾患で受診します。夏場に比べて倍近い患者様がいらっしゃいますので、機敏な対応が必要です。
慢性疾患の患者様(高血圧・脂質代謝異常・胃潰瘍…等)は定期的に受診されます。中には、顔馴染みになってよく話しかけてこられる患者様もいらっしゃいます。医療施設には心の安定を求めてこられる方も多くいらっしゃいます。
ある看護師さんによると、赤ら顔で頭が痛い、ふらつくといった症状の患者様が病院にいらっしゃいました。
たまたま院長が往診でクリニックに戻るのが遅くなっていたので、診察が始まる前にいろいろな愚痴を聞いてあげようと処置室で二十分対応されたそうです。
来院されたと きには血圧の値が百八十近くあったようですが、話を聞き終えて再度血圧を測定すると百四十 代まで下がっていたようです。大丈夫ですか? と声をかけたら、
「あれ、頭痛もふらつきも 治ってるわ」……とのこと。
診察を受けずに気分が良くなり帰られたそうです。これは看護師さんでなくてもできそうですね。
私が訪問させていただいているクリニックでは、私がお伺いする度にお会いするご年配の男 性の方がいらっしゃいます。
帰り際にはいつも事務員さんに「あんたの顔みると、病気が良く なる……。また来るね……」が口癖です。
その医療事務員さんは、いつもニコニコ、ハキハキの方です。彼女のファンが何人かいるようで、「うちの息子の嫁にこんか……」と何人かに誘われているそうです。
内科における慢性疾患の患者様は、院長よりスタッフが治療されているという感じも受け ます。
話を戻します。
内科は、他の診療科目と比べ非常に検査が多いです。
血液検査、エコー検査、心電図、レン トゲン撮影、尿検査……。
昔は検査を検査センター等に依頼する外注が多かったのですが、最近では院内で検査を実施し、その場で検査結果を患者様にフィードバックするという診療所が 多くなり、医療事務員もそれに合わせてすぐに点数計算を実施します。
糖尿病の専門医、循環器の専門医の医療施設では、患者様がいらっしゃったら診察前に検尿、血圧、血液採取を実施する……というような指示をルーチン検査(定められた検査)としてさ れています。
最近は訪問診療(往診の一種)を実施する内科さんが多くなっています。中には訪問診療が九十九パーセント、外来診療一パーセントという訪問診療専門クリニックも増えています。
咳、高熱、ふらつく……等の症状を訴える患者様については、看護師と連携し、隔離やベッドで診察をお待ちいただくような判断を瞬時にできるように、患者様の様子をよく観察しましょう。中には車椅子が必要な方もいらっしゃいます。車椅子の組み立て、収納(折り畳み)も医療事務員ができるようにします。
内科で勤務するときのメリットを紹介しておきます。
・ インフルエンザのワクチン接種が無料で受けられるスタッフがインフルエンザで働けなくなることは診療ができなくなることにつながります。
・ 健康診断を定期的に実施していただける。
感染症予防法という法律があり、胸部X線撮影は毎年実施しないといけないという義務があります。ほとんどの内科はX線撮影機(レントゲン)を設置しています。
他の診療科には設備がないため、健康診断は自分の負担で受けるように指示されることがあります。