ブランディングと聞くと企業やお店がやるものというイメージがあり、一見クリニックとは無縁のように思えるでしょう。
しかし、クリニックをブランディングすることは集患に成功したり、収入が増加したりするきっかけの1つとなります。
実際に経営を安定させるためにブランディングに力を入れている病院はいくつも存在します。
病院はほとんどの場合1つの地域の中にいくつも存在し、患者さんはその中から通う病院を選ぶことになりますが、もし何の特徴もなければ行こうとは思ってもらえません。
だからこそブランドを掲げてどんなクリニックなのかを知ってもらうためのアピールが必要なのです。
例えばスーパーも街にいくつもありますが、あなたがいつも行っているスーパーには高いけど質が良い商品が売られていたり、野菜が美味しかったりと何か特徴があるはずです。
そうした特徴をあなたのクリニックにも持たせることで患者さんに選ばれるようになります。
今回はクリニック・医院をブランディングするメリットや具体的な方法をご紹介していきます。
集患に悩んでいる方やクリニックのブランディングを考えている方はぜひ最後まで読んでくださいね。
治療だけでは差別化できない。
クリニックがブランディングすべき理由2つ
ブランディングが大事だと知ってもいまいちその必要性を理解できないという方もいるかもしれません。
そこでまず初めにクリニックがブランディングに力を入れるべき理由を2つご紹介しましょう。
1.治療だけで差別化はできないから
患者さんが病院に求めていることといえばやはり病気を治すことでしょう。
しかし、これは最低の条件なので治療だけでは他のクリニックとの差別化を図ることができません。
患者が病院を選ぶときの基準は病気を治すことを前提とした上で、スタッフの態度や院内の過ごしやすさなど別のところにあります。
つまり、集患をするためには病院はただ存在しているだけでは不十分で、何か選ばれるための特徴が必要です。
2.「何でもできる」はアピールとして弱いから
患者が病院に求めることは
「先生に話をしっかり聞いて欲しい」
「症状を抑えるだけでなく原因から治して欲しい」
など様々です。
そこで少しでも多くの患者を集められるよう、あらゆるニーズを押さえることを目指す人がいますが、何でもできるようになることは数ある病院の中から選ばれる理由にはなりません。
全ての人から選ばれるようにしようとするとどのような病院なのかが分かりにくくなり、逆にどの患者にも選ばれない病院になってしまいます。
そのため、ある層をターゲットとして想定してブランディングし、患者を確保することを目指すべきなのです。
お客様の安心に繋がる。
クリニックのブランディングをするメリット6つ
クリニックの目指すイメージを決めてそれに向けてブランディングしていくのは簡単にできることではありません。
しかし、ブランディングすれば色々なメリットを得られます。
そこで次にクリニックをブランディングするメリットをご紹介していきましょう。
1.集患に繋がる
クリニックのブランディングをすることで得られるメリットは何と言っても集患になることです。
ブランディングをするとどんな特徴があるのかが明確になるので、それに惹かれた人が数あるクリニックの中からあなたのクリニックを選んで来てくれるようになります。
今までクリニックの存在を知っているけど来なかった人もキャッチコピーや理念など病院からのメッセージを知ることで来院するようになるかもしれません。
2.患者さんに安心して来院してもらえる
病院に来る人は体に不調を抱えています。
それだけに初めて行く病院に対して
「冷たい先生だったらどうしよう」
「こちらが求めてない治療方法を提示して来たらどうしよう」
と何かしらの不安を抱えているものです。
しかし、ブランドを掲げていれば患者さんは事前に自分の望みに合った病院かどうかが分かるので、安心して来院できます。
ブランディングは患者さんにもメリットがあるのです。
3.再来院に繋がる
事前にあなたのクリニックの特徴を知って来たお客様は当然病院との相性が良く、満足行く時間を過ごせるはずです。
すると病院への印象が良くなり、再来院に繋がります。
何度も来る患者が増えればその分収入も増え、集患に悩まなくて良くなります。
ブランディングには新規患者だけでなく再来院の患者を増やす効果もあるのです。
4.理想のクリニックを実現できる
クリニックのブランディングには当然あなたが理想とする病院像を反映させることになります。
すると
「地域に愛される病院にしたい」
「お年寄りの健康をサポートする病院でありたい」
といった思いを実現することに繋がります。
病院を開業するときに思い描いていた理想像に近づければやりがいが出てきて、もっと良い医療を提供しようと前向きに仕事に取り組めます。
5.スタッフがクリニックに愛着を持つ
クリニックのブランドは患者だけでなく病院で働く人にも訴えるものです。
ブランドを掲げてクリニックを作っていくと病院で働く看護師やスタッフがクリニックに対して愛着を持ち、ブランドに対して誇りを持つことで仕事へのモチベーションを高めることができます。
また、新しい人材を募集したとき、病院のブランドに共感する人が集まるのでスタッフが長く病院に勤めるようになり、離職率を下げることができるというメリットもあります。
6.効果的な施策を立てられる
ブランディングをするときには来て欲しい理想の患者像を設定します。
ブログを更新したり、看板のデザインを考えたりするときにはその患者の心に刺さることを想定するため、自然と効果的なアプローチができるようになります。
ブランディングをすればターゲットを設定せずただPRしていたときと比べて効率的な集患が出来るようになります。
デザインを統一する。
クリニックのブランディングの具体的な方法7つ
では病院のブランドを作るには具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。
クリニックをブランディングするための方法を7つご紹介しましょう。
1.患者のニーズを把握する
ブランディングを成功させるためにはある程度地域に住んでいる人の医療に対するニーズを押さえる必要があります。
いくら院長に病院の理想像があっても、地域の患者に合わないものであればブランディングをしても集患は成功しません。
全ての人のニーズを押さえなくてはいけないということではありませんが、ブランドの方向性を決める参考として患者さんとの対話の中から病院に求めているものを把握しましょう。
2.明確な特徴を作る
ブランディングを成功させるには明確な特徴を作ることが大切です。
例えば親子で通えることをアピールしたり、予約制を導入し、待たなくて良いことを魅力にしたりと他のクリニックにはない特徴を作り出すことによってターゲットに該当する人やその特徴を求める人に選ばれます。
他の医院との差別化が出来てないと感じる方はあなたのクリニックだけの特徴を何か作れないか考えましょう。
3.スタッフにブランディングについて浸透させる
病院のブランディングは院長だけでなく病院で働いている全ての人が協力して行うものです。
そこでブランドとは何か、どのような施策をしていくのかをスタッフにしっかり伝えましょう。
徹底的に周知することでよりブランドを浸透させ、ブランディングの効果を早く出すことができます。
4.キャッチコピーを作る
キャッチコピーは短い言葉であなたのクリニックがどんなクリニックなのかを表すものです。
クリニックの魅力を伝えるためにはHPにあなたの医療に対する気持ちを書くこともできますが、しっかり読んでくれる人は少ないでしょう。
しかし、短いキャッチコピーなら一目見るだけで内容を理解できます。
「家族みんなで通える」
「患者さんの話にしっかり耳を傾ける」
など分かりやすいキャッチコピーをつけることでそれに惹かれた人が来院するようになります。
5.デザインを統一する
デザインは視覚的にブランドを示すものです。
例えば看板、HP、診察券、内装などを全て同じようなデザインにすればこちらが特に説明しなくてもどんなクリニックなのかを感じてもらえます。
例えば親しみやすいクリニックを目指すなら暖色系を使ったデザインが良いでしょうし、真剣に治療に力を入れていることをアピールするなら落ち着いた雰囲気のデザインが良いかもしれません。
ブランドの方向性が決まったらそれをもとにしたデザインを徹底して利用し、イメージの定着を図りましょう。
6.HPや講演会などでアピールする
ブランドを認知してもらうためにはやはり多くの人に知ってもらう機会が必要です。
そこでクリニックのHPでターゲットに向けてメッセージを発信したり、講演会で院長の人柄やクリニックに知ってもらったりとあらゆる方法を使ってクリニックをアピールしていきましょう。
中には書籍で知識を届けることでブランディングをしているという開業医もいます。
こうした地道な活動が長期的な集患に繋がります。
7.コンサルを受ける
キャッチコピーを作ったり、デザインを統一したりといったブランディングの一連の作業を一人でやるのはとても大変です。
そこで病院の集客やブランディングのサポートをしているコンサルに依頼して一緒にブランディングを行うという方法もあります。
費用はかかりますが、専門としている人にお願いすることでより効果的なブランドを作ることができますし、時間も節約することができます。
実績や理念などを見ながら信頼できそうなコンサルタントに依頼しましょう。
まとめ
街には病院がたくさんあります。
その中からあなたのクリニックが選ばれるためにはブランディングが必要です。
クリニックのブランドを明確化すれば患者が安心して来院することができ、さらにクリニックに対する満足度が高くなり再来院にも繋がります。
また、スタッフがクリニックに対して愛着を持ち離職率が下がるというメリットもあります。
このようにブランディングをすることはあらゆるメリットをもたらすのでぜひ地域に合ったブランドを掲げ、集患の成功を目指しましょう。