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【2025年4月】かかりつけ医機能報告制度とは?概要や今後の情勢について

近年、政府は国民に対して「かかりつけ医」を持つように推奨しています。

医療機関は、高齢化社会により患者が急増していく中、慢性疾患を抱える患者に対する継続的な医療管理が求められています。
その一方で、医療機関の人手不足が深刻化しています。

上記の背景を考慮して、政府は、2025年4月からかかりつけ医機能報告制度を開始しました。
この制度は、地域ごとに必要な医療を必要なときに受けられる体制を確保し、医療や介護サービスの質向上を目指しています。

当記事では、かかりつけ医の定義のほか、かかりつけ医機能報告制度の概要や医療機関がするべきことなどについてご紹介します。

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目次

かかりつけ医やかかりつけ医機能の定義

かかりつけ医の定義

かかりつけ医とは、日本医師会では「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義されています。

つまり、かかりつけ医は、以下の機能などが求められています。

  • しっかりとコミュニケーションを取り、なんでも相談できる
  • 身近で頼りになり、患者のそばに寄り添える方法を選択できる
  • 最新の医療情報を熟知し、患者や家族に合わせた適切な治療を選択できる
  • 患者さんの尊厳ある生き方を支えることができる
  • 適切な他の医療機関を紹介できる
  • 地域包括ケアシステムの中で求められる役割を果たすことができる
  • 医療のデジタル化に応じて医療情報を活用できる

これらすべてを網羅し、総合的に患者をサポートできる医師を指します。

かかりつけ医機能の定義

かかりつけ医機能の定義は、2023年5月に「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(以下、改定法とする)」に盛り込まれています。

この改定法には、かかりつけ医機能とは「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」と定義されています。

また、かかりつけ医機能は、あくまで医療機関の機能を指します。
この定義の医療機関は、特定機能病院や歯科医療機関を除く全国の病院と診療所です。

つまり、医師個人の役割を示すものではないことに留意する必要があります。

かかりつけ医機能報告制度の概要

かかりつけ医機能報告制度とは、各医療機関が都道府県に自院のかかりつけ医機能を定期的に報告する制度のことです。
この報告は国民に公表し、適切な医療機関を選択するための情報提供に繋げる狙いがあります。

また、対象医療機関は、1号機能と2号機能に分けられます。
1号機能に関する報告事項がすべてクリアした場合は、2号機能の報告を行う必要があります。

1号機能

1号機能は、日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能を指します。
この機能があると認定されるには、以下の報告事項をクリアする必要があります。

  • 以下4つの「具体的な機能」があり、報告事項を院内掲示する
  • かかりつけ医機能に関する研修の修了者や総合診療専門医がいるか報告する
    ※有無の報告だけ求められています。
    ※研修は、2024年4月に施工された改正医療法の公開後5年を目途に、改めて検討する予定です。
  • 対象の診療領域17種類のいずれかに該当する
  • 対象の疾患40種類のいずれかの一次診療ができる
  • 継続的な医療が必要な患者も含めてさまざまな医療相談に対応できる

また、診療領域は、以下が該当します。

1. 皮膚・形成外科領域
2. 神経・脳血管領域
3. 精神科・神経科領域
4. 眼領域
5. 耳鼻咽喉領域
6. 呼吸器領域
7. 消化器系領域
8. 肝・胆道・膵臓領域
9. 循環器系領域
10. 腎・泌尿器系領域
11. 産科領域
12. 婦人科領域
13. 乳腺領域
14. 内分泌代謝・栄養領域
15. 血液・免疫系領域
16. 筋・骨格系及び外傷領域
17. 小児領域

2号機能

2号機能には、5つの機能が存在します。
また、これらの機能一つ一つに、報告事項が示されています。

詳細を以下に纏めました。

通常の診療時間外の診療

この機能には、2つの報告事項が存在します。
以下のうち、いずれかを報告した場合に認定されます。

  • 通常の診療時間外の診療体制の確保状況
    ※他医療機関と連携して確保する場合はその機関名も必要です。
    ※例として、在宅当番医制や休日夜間急患センターへの参加、連絡先を患者へ共有して随時対応など。
  • 自院における1~4の「時間外対応加算」の届出状況のほか、「時間外加算」「深夜加算」「休日加算」の算定状況

入退院時の支援

「入退院時の支援」という機能には、5つの報告事項が存在します。
以下のうち、いずれかを報告した場合に認定されます。

  • 後方支援病床の確保状況
    ※他医療機関と連携して確保する場合はその機関名も必要です。
  • 入院時の情報共有の診療報酬項目の算定状況
  • 退院時の情報共有や共同指導の診療報酬項目の算定状況
  • 地域の退院ルールのほか、地域連携クリティカルパスへの参加状況
  • 特定機能病院や地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関から紹介を受けた外来患者数

在宅医療の提供

在宅医療を提供する機能は、4つの報告事項が存在します。
以下のうち、いずれかを報告した場合に認定されます。

  • 在宅医療を提供する体制の確保状況
    ※例として、日中のみ対応、24時間対応、他医療機関と連携して24時間対応など。
    他医療機関と連携して確保する場合はその機関名も必要です
  • 訪問診療や往診、訪問看護の診療報酬項目の算定状況
  • 訪問看護指示料の算定状況
  • 在宅看取りの実施状況

介護サービスなどと連携した医療提供

介護サービスなどの事業者と連携して医療を提供する機能は、5つの報告事項が存在します。
以下のうち、どれかひとつを報告した場合に認定されます。

  • 介護サービスの事業者と連携して医療を提供する体制の確保状況
    ※例として、主治医意見書の作成のほか、地域ケア会議やサービス担当者会議等への参加、介護支援専門員や相談支援専門員と相談機会設定など。
  • 介護支援専門員や相談支援専門員などへの情報共有・指導の診療報酬項目の算定状況
  • 介護保険施設などの医療の提供状況と協力医療機関となっている施設の名称
  • 地域の医療介護情報共有システムの参加・活用状況
  • ACPの実施状況
    ※ACPは、患者の人生の最終段階についてまわりの人々と共有する取り組みを指します。

その他の報告事項

上記の機能とは別に、その他の報告事項もあります。
以下に該当している場合は、報告することが求められています。

  • 健診や予防接種を行っている
  • 学校医や産業医、警察業務などの地域活動を行っている
  • 学生や研修医などへの教育活動を行っている
  • 1号機能や2号機能を確保できなかった場合は、今後担う意向を示す

かかりつけ医機能報告制度のスケジュール

クリニックサポート

「かかりつけ医機能」の報告は、毎年1~3月に実施されます。
年間スケジュールは、以下のサイクルで進行していきます。

  • 医療機関による定期報告:毎年1〜3月
  • 報告内容の分析:毎年4月~
  • 医療機関への定期報告依頼:毎年11月~

また、医療機関は原則として「G-MIS」を利用して報告する必要があります。

G-MIS

「G-MIS」は、情報を1元管理できる医療機関と行政機関をオンラインで結ぶプラットフォームです。

このシステムは、厚生労働省が運営しています。
報告情報のすべてをこのシステムで管理することにより、スムーズに情報を把握することができます。

まとめ

今後、日本では、入院の需要が2040年に、外来の需要が2025年にピークを迎えると予測されています。
そのため、政府は、できるだけ早く患者が適切な医療を受けやすい環境を整備することが求められています。

かかりつけ医機能報告制度の導入によって、地域ごとに異なる医療資源の現状を把握して問題点を分析することが可能です。
さまざまなかかりつけ医機能を持つ医療機関が明確化されることにより、多角的な地域全体の医療サービスの向上に繋がるでしょう。

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