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クリニックの医療データの重要性とは?具体的な利活用法について徹底解説

医療現場では、常に膨大な量の医療情報が増え続けています。

医療情報は、デジタル技術の発展によってデータ化が進みました。
この医療データは、診療録や患者情報など多岐に渡り、すべて必要不可欠です。

日々増え続ける医療データを適切に活用することで、業務改善のほか、病気の予防や早期発見などが期待できます。

今回は、医療データの種類や利活用法、医療ビッグデータなどについてご紹介します。

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目次

医療データの重要性

2022年10月に「医療DX推進本部」が新設され、医療データを利活用しやすくするための法整備が進んでいます。
近年、さまざまな法律の改正や増設がされており、その動きがさらに顕著になってきています。
また、医療データを商用提供する企業も増え続けており、医療に関わる多様な目的に応用されることが期待できます。

例として、同じ病気と診断されても同じ薬が効く方や効かない方がいます。
患者の詳細な医療データを研究することで、どのような方にどの薬が効くのか明確化することができます。

これらを含むさまざまな背景から医療データの重要性が高まっています。

医療データの種類

医療データは、さまざまな形で収集されます。
それぞれ異なる特性を持っており、得られる内容や活用方法もすべて異なります。

また、国内で提供されている医療データは、以下のレセプトデータやDPCデータのような支払いデータが主力となっています。

この章では、代表的な医療データを5種類ご紹介します。

レセプトデータ

レセプトデータは、医療機関が健康保険組合や全国健康保険協会などの保険者に発行する診療報酬の明細書のことです。

主に、入院、外来、歯科、調剤などの医療行為に関する詳細な情報が含まれてます。
自費診療を除いた、国内で行われるすべての病院や調剤薬局で作成され、月に1度、患者ごとに纏められています。
そのため、全国の医療機関で膨大な量の患者情報の収集ができます。

レセプトデータを分析すると、患者が医療機関を訪れるまでの過程のほか、健康保険加入者の疾病や疾患別の医療費の傾向が明確化されます。
また、全国統一の分類コードを使っているため、データとしての汎用性が非常に高いというメリットもあります。

DPCデータ

DPCデータは、DPCに基づくレセプトデータを意味します。

DPCとは、DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)の略称です。
この略称は、DPC評価分科会が、平成22年12月16日に命名しました。
意味は、「急性期入院医療の診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度」のことです。

つまり、この医療データには、同制度に参加している医療機関から厚生労働省に提出される診療情報などが纏められています。
具体的には、患者の病名や治療内容、入院期間、診療報酬請求情報などの詳細な入院診療データが含まれています。

この情報は、医療の品質向上や患者の重症度別の治療傾向などを把握するのに役立ちます。

電子カルテ

電子カルテとは、紙のカルテを電子情報としてPCサーバー上に記録するシステムのことです。

このシステムには、患者の主観的な訴えや臨床検査データのような客観的な情報、治療方針などが記録されています。
また、臨床検査データとは、バイタルサインや血液検査、画像検査結果、尿検査などの詳細な医療データを指します。
さらに、他にもさまざまな情報が蓄積されており、DPCデータも含まれています。

患者の病態のデータを正確に収集できるため、医療の幅広い分野で活用されています。

PHRデータ

PHRは、Personal Health Recordの頭文字を取った略称であり、「個人健康記録」や「生涯型電子カルテ」を指します。

母子手帳の記載内容のほか、いままでに受けた健康診断の結果や診療内容、予防接種歴などの個人のあらゆる保健医療情報をデジタル化した後に、患者にオーナーシップを返す概念です。
また、医療機関以外の血圧、体重、歩数などの日常生活の中での生活記録も含まれます。

医療DX推進本部が2023年6月に公表した「医療DXの推進に関する工程表」には、PHRを2030年度までに普及させるという目標が強調されて記載されています。

患者と医療機関との情報共有を促進するためにも、PHRデータは重要視されています。

健康診断データ

健康診断データは、定期健診や人間ドックなどを通じて得られる医療データです。
このデータを活用することにより、特定の疾病リスクや発症傾向を分析し、早期の予防措置や重症化を防ぐための施策を講じることが可能になります。

幅広い年代のデータが取得することができ、詳細なデータが入手可能です。
そのため、医療サービスの向上や政策立案にも役立つことが期待されます。

医療ビッグデータについて

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この章では、医療ビッグデータの概要やそのメリット、課題などをご紹介します。

医療ビッグデータとは

ビッグデータは、総務省刊行の平成24年版情報通信白書にて「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と定義されています。
また、データの規模よりも中身の構成や利活用方法が重要という旨の記載があります。

医療ビッグデータは、さまざまな医療機関の情報を集積したものであり、さまざまな医療サービスで利活用されています。
また、この中には、日本全国の医療機関や薬局、健康保険組合、臨床試験データなどのさまざまな医療データが含まれています。

これらの医療データを分析することにより、医療技術向上のほか、医療保険制度の維持や持続に繋がることが期待できます。

医療ビッグデータを利活用する具体的なメリット

医療ビッグデータを利活用することで、さまざまなメリットが見込めます。
病気の早期発見や高精度な診療、医療従事者の負担軽減などが可能になり、さらなる医療の効率化や社会的な課題の解決に繋がるでしょう。

さらに、行政と医療機関の間に医療ビッグデータを共有できるプラットフォームを構築することにより、通常医療だけでなく、感染症のパンデミックや地震などが起こった際の医療資源の最適化にも役立ちます。

医療ビッグデータが抱える課題

医療ビッグデータは、さまざまな課題を抱えています。

電子カルテの「非構造化データ」

電子カルテには、「非構造化データ」のような検索や収集、解析が難しいデータが存在しています。

このデータは、医療チーム内での共有や万一のトラブルの際の証拠、学術目的で振り返る際に活用することを目的としています。
つまり、医療ビッグデータで活用する目的で記載されていません。

そのため、医療ビッグデータが理解できるフォーマットに入力し直す作業に時間と労力がかかってしまいます。
この解決策は、複数考案されていますが、まだ解決できていない問題も多数存在しています。

個人情報の保護

医療ビッグデータの活用では、個人情報保護とセキュリティ対策もセットで考える必要があります。
セキュリティとプライバシーにしっかり配慮して、データを利活用できる方法を考案することが課題となっています。

総務省も諸外国の事例を考慮して、プライバシー保護やセキュリティ政策に取り組んでいます。

また、2018年に個人情報保護法の特例法である「次世代医療基盤法」が策定されました。
近年、徐々に医療情報が医療分野の研究開発に利活用しやすくなる環境が整備されています。

まとめ

パース

医療データは、医療現場の品質向上や患者の健康寿命の長期化などに大きく貢献する情報資源です。
さまざまな種類の医療データが一体となって医療の発展に貢献しています。

今後、さらに医療データの利活用が進むことで、患者一人ひとりに適した医療サービスを提供できるようになることが期待されています。

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